会長挨拶
共に創る、持続可能なロータリーの未来

桑名西ロータリークラブ
会長 佐藤成剛
本年、会長という大役を拝命し、このような貴重な機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。微力ではございますが、皆様のお力添えを賜りながら、精一杯努めてまいる所存です。
5年前、世界的に流行した新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活や価値観に大きな変化をもたらしました。社会全体が混乱に包まれる中、働き方や暮らし方、そして人とのつながり方が見直され、長年受け継がれてきた伝統や文化さえも変容を余儀なくされました。
一方でデジタル技術は目覚ましい進化を遂げ、今では誰もがAIを手軽に活用できる時代へと移り変わっています。またDXの進展により、飲食店ではセルフオーダーや自動精算機の導入が進み、3年前の日常と、今の日常では大きく異なっていることを、皆様も実感されていることでしょう。
そして今、その変化の波はロータリーにも押し寄せています。コロナ禍によって、従来の価値観や仕組みが大きく揺さぶられたことで、ロータリーもまた、時代の流れに応じて変化し、進化していくことが求められていると私は強く感じています。
その中で、私たちが取組むべき重要な課題のひとつが「会員増強」です。もちろん、会員数の拡大は、クラブの継続的な活動を支えるうえでも最も大切な目標です。しかし、ただ数を増やすことだけを目的にした活動では、クラブの未来を築くことはできないと思っています。今、私たちに求められているのは、多様な価値観に触れ、それを理解し、受け入れながら、クラブをよりオープンでインクルーシブな場へと進化させていくことです。すなわち、DEI(多様性、公平性、包括性)の推進こそが、これからの時代における会員増強を進めるうえで、欠かすことのできない視点であると考えます。
DEIは、いまや企業や組織がこれからの時代に対応するために備えるべき重要な価値観であり、同時に私たちが一人ひとり持つべき倫理観でもあります。そして、この倫理観を日々高めようとする姿勢こそが、ロータリーの根幹となる理念、「職業奉仕」の精神そのものではないでしょうか。
その職業奉仕の根幹には、職業人として倫理観の向上という崇高な目的があります。その倫理観を育む最も重要な場が「例会」です。例会は単なる集まりではなく、職業人同士が語り合い、お互いの体験談や知識、知恵に耳を傾けながら、職業倫理を磨き合い、お互いに高め合う場なのです。このような場を大切にしていくことが、ロータリーの理念を実践する第一歩になると確信しています。
本年度は、会員の皆様に少しでも「出席してよかった」と心から実感していただけるような例会を実施していきたいと思っております。どうか皆様の温かいご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。