オランダ手本 に財政再建を

巨額の財政赤字に悩まされていたオランダの財政が、25年ぶりに黒字転換した、と報じられていた。
同国の1980年代前半は現在の日本と同じくらいの膨大な赤字を抱えていたとのことである。
そこでオランダ政府は、パートタイマーの時間給を一般労働者と同じ条件にするなどの経済改革を断行した。
その結果、失業率が3%程度に低下し、個人消費などの内需が拡大、景気回復が税収増につながり、歳出抑制もあわせてすすめることによって、見事に財政再建を成し遂げたとのことである。

一方我が国は、政府が景気対策として旧来型の公共投資を続けるのみであり、さらに民間企業は人員削減中心のリストラ全盛、雇用不安と社会保険料や医療費の負担増などから個人消費は低迷を続けている。
このため景気回復は遅々とし、税収増には程遠く、国民一人当たり400万円の借金といわれる状況のなかで、身動きのとれない状況となっている。このような現状を打開するためにも、諸外国の好事例を参考にしてはいかがであろう。

オランダと日本では環境が異なり、同一視出来ない部分も多いとは思われるが、政府はオランダの成功要因を分析し、日本で採用可能なものは積極的に取りいれるよう期待したい。

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