天皇制の意義 国民に周知を

 日の丸・君が代を国旗・国歌とする法案が衆議院を通過し参議院へ送られた。
本欄でもこの法案について、日の丸に対しては異議が少ないが、一方、君が代については異議が多く述べられてきた。

すなわち、君が代については、新憲法の精神である民主主義と相反する内容であることは、政府がどのように解釈を加えようと、本質的には何ら変わらないものであり、国民の理解を得られない根本的理由でもあろう。
にもかかわらず、なぜ政府が今、法制化を急がなければならないのか、その決定的理由があるようにも思えない。

そこで参議院で議決される前に、原点に立ち返り、政府はこの君が代の元である天皇制について、国民の理解を得られるよう努力すべきではないだろうか。
私自身、小学校入学以来、天皇制の意義について学んだ記憶がない。多くの国民もまた同じではないだろうか。

天皇制がどのような国益をもたらしているのか、そのための国費がどのくらい必要なのかを、政府が国民に分かりやすく解説できれば、国民的合意も得られ、結果は自ずから明らかだと思われる。

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