矛盾多い選挙制度の改革を

東京都知事選挙をきっかけに、現在の選挙制度の問題点が、更に浮き彫りになってきた。
完全な選挙制度は無いと言われているが、現在の選挙を最善と考える人は、ほとんどいないのではないだろうか。

小選挙区では少数政党の議席確保が難しい。
比例区との重複立候補で、国民から拒否された候補者が当選する。
比例区の名簿順位は政党の都合で決まり、国民が関与できない。
比例区で当選した候補が、直後に政党をくら替えしてしまう。
これらが今までの問題点として指摘されてきたが、今回新たに、衆議院議員を辞職して衆議院議員に立候補する、という全く理解に苦しむ動きが出てきた。
そして、すでに政党として存在せず、支持者ゼロの旧新進党の立候補者が繰上げ当選するに至っては、我が国の民主主義とは一体何だろうかと考えさせられる。
これでは国民の政治離れがますます加速することであろう。

このように民意を反映しない、矛盾に満ちた選挙制度は早急に改革する必要がある。
私は国民の意思が反映しやすい中選挙区制度が最も好ましいと考えるが、国会で議論を尽くし、次の総選挙までにより良い制度としていただきたいものだ。

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