外交機密費に検査院メスを
外務省の幹部が、外交機密費を私的に流用し、マンションやゴルフ場会員権、競走馬の購入などに当てられていたことが発覚した。
この行為は業務上横領で、いずれ司直の手で全容が明らかにされ、法的措置が講じられよう。
この外交機密費は、総理や長官の諸経費、官邸会議費、国公賓の接遇費、外交対策費などとして、年間72億円が予算化されているが、その使途は秘密とされ、領収書もなく、会計検査院の手も届かない状況となっているようだ。
外交には機密が伴うといわれている。しかし、交渉内容は機密としても、費用の支出に機密性が高いとは考えにくい。公明正大な支出であれば、使途を堂々と明らかにできるハズで、不正な支出を隠す手段として使用されていると疑われてもいたしかたないであろう。
今回の事件では、この秘密性が悪用され、いとも簡単に、億円単位で横領され、税金が無駄遣いされてしまったことに、大きな驚きをおぼえる。
したがって今後の対策として、領収書などの証拠書類提出を義務づけること、支出内容を情報公開させること、さらに会計検査院の効果的な検査の執行などで、透明性を高め、不正防止を徹底していただきたい。
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