今も官官接待 監察名ばかり

新潟市の女子監禁事件で、うその発表を指揮した新潟県警本部長が、部下からの女性発見の報告を受けたにもかかわらず、県警本部に帰ることなく、特別監察に訪れた関東管区警察局長を接待するため、温泉旅館で酒席を共にし、さらに麻雀接待していたことが明るみにでた。

本部長と局長はその責任をとって辞職することとなったが、これは高級官僚の意識改革が進んでおらず、いまだに官官接待が健在であることを示している。おそらく、この一件は氷山の一角ではないだろうか。

そもそも監察する側と、される側が宴席を共にすれば、監察が形骸化することは、大蔵省の銀行検査でも明らかである。この当事者もそのことを当然知っていながら、旧態依然たる官官接待がおこなわれていたことに、同情の余地はない。このような不祥事が依然としてあとを絶たないのは、嘆かわしいかぎりである。
また、警察の監察制度が機能していないことは、神奈川県警の不祥事でも容易に想像できる。まさに「仏作って魂入れず」である。

これを機に、監察制度を有効に機能させるような改革と、公務員倫理法の罰則を強化し、公務員の信頼回復と、官官接待の根絶を図っていただきたい。

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