斡旋利得罪の法制化を急げ

金融再生委員会の久世委員長が、三菱信託銀行や大京から多額の利益供与を受けていたことが明らかになった。
当時の久世氏には職務権限がなかったため、受託収賄罪が成立せず、違法行為として罪に問われることはない。しかし、法に触れなければ何をしてもよいわけではない。
三菱信託銀行などは同氏の力で、有利に取り計らってもらうことを期待し、多額の利益供与に応じたことは明らかで、直接の権限はなくとも、影響力を行使し自己の利益をはかったことは国民としては許しがたい。

国会でも受託収賄罪では問題が多いことに気づき、あっせん利得罪の法制化に取り組み始めたが、自民党の消極的態度から、遅々として進んでいない。

あっせん利得罪では、政治活動が阻害されるとか、政治献金との区別がつかない、などとしているが、これらはいずれも正当な理由とは思えない。
斡旋自体は禁止されておらず、利益供与が禁止さるのであって政治活動の阻害要因にはならない。今の消極的理由は、まるで、お金をもらうことが政治活動の様に聞こえてくる。

国会議員と政治の信頼回復のためにも、あっせん利得罪を早急に法制化していただきたい。


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