在銅雀楼鎖清月!
島田陽子光身亮 浮出微笑美麗臉 
優美姿態晩晩描 夜里深々画出神
          白文

千八百年昔の拉致事件

  唐代には「校書」の位を貰う程、詩で名を残した薜濤がいますが、彼女は酒席に侍る妓女でした。文姫の活躍とは比べられません。
  曹操は帰還した彼女に命じて編纂途中の東漢の正史「続漢書」を完成させて後漢を代表する学者で彼女の父の蔡邕が所有していて、混乱の内に焼失した蔵書四千書の内、彼女が暗誦していた四百余りを再著させたとも伝えられています。多くの「三国志」小説に描かれている悪辣非道な悪魔の様な権力者・曹操と違って、文学を愛し、自身も多くの優れた詩を残した曹操の一面を知ら使める心温まる逸話です。
  彼女は現代でも「京劇」や「戯曲」の女主人公として活躍?をしています。

  今から約千八百年昔の東漢時代の末、或る才媛が胡族に拉致され、救い出されたと云う記事が「後漢書」という歴史書に載っています。此の才媛が蔡文姫です。名は琰、文姫は字名です。
  文姫は拉致されて十二年、匈奴族の皇太子・左賢王の囲われ者として恐怖の十二年を胡地に暮らし、彼の地で二人の子供を生みました。
  時の権力者漢王朝の丞相で在った曹操は彼女を買い戻す為に、国境に大軍を配置して金千両と更に、高価な璧玉や絹織物を左賢王に送って彼女は買い戻されて故国に帰還する事が出来ましたました。
  故国に帰る事が出来る喜びと二人の幼子と離別せねば為らない複雑な心境を見事に詠み著した詩が残っています。彼女の作か疑われていますが「胡笳十八拍」と二篇の「悲憤詩」です。
  文姫は詩以外でも活躍を見せ、東漢末の女流大文学者として曹操や曹植、竹林の七賢人等と共に文学を大いに盛り立てて建安文学を築き上げました。男尊女卑の封建時代に在ってこれ程の活躍の名を残したキャリアウーマンは珍しいと云わねば為らないでしょう。

表紙「閑叔白文の”孔明夜咄」書屋
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尚香麗媛交呉漢 飾喜船還京口春
懐情投身長江秋 浪花故事伝哀恋
         白文題

古のキャリアウーマン・蔡文姫さん。

蔡文姫の「胡笳十八拍」を読む。

筆者の蔡文姫を偲ぶ下手な詩を一首

白文詩集より

白文草々著作輯から

 寄願帰雁十余秋   帰雁に願いを寄する十余秋
 贖復千金離子母   贖われ復する千金は子と母を離別させ
 同天隔地如商参   天を同じゅうして地を隔つるは商参の如し
 夢中抱児覚嗚咽   夢中に児を抱きて覚めては唯だ嗚咽
 胡笳悲憤鮮哀傷   胡笳と悲憤詩に込めし哀傷は鮮やかにして
 古今使人涕霑頸   昔も今も人をして涕の頸を濡らしむる